海外の記事より:「キンカチョウは、卵に向かって気候の変化に備える鳴き声を聞かせている」

「Science」に興味深い記事が掲載されていましたので、皆様にご紹介させていただきたいと思います。
記事がコンパクトに動画にまとめられていましたので、この動画の内容の日本語訳と記事部分の内容を補足させていただきながらご紹介させていただきます。

Video: Zebra finch call prepares their eggs for climate change
By Virginia MorellAug. 18, 2016 , 2:45 PM
「キンカチョウは、卵に向かって気候の変化に備える鳴き声を聞かせている」

記事では、「研究者は、地球の気候変動に動物たちが対応することができるかが長年の心配事です。」から始まっています。
この研究結果は、初めて、動物が音を使って成長や発達、行動、繁殖に影響を与えていることが判明したものだそうです。

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キンカチョウは、卵に向かって話しかけ、卵もそれを聞いています。

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[オスのみが卵と一緒にいる時(*1)]
研究者は、親鳥が卵に向かって、特別な鳴き方(*2)をしていることに気付きました。
*1:オス、またはメスのみが卵と一緒にいる時。
*2:速くて、高い音の鳴き声。

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そこで、その様子を録画(録音)して、観察してみることに。

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600時間の録画を調査すると、この鳴き方は、気温が暑い時にこのような鳴き方をすると判明しました。
[気温が26℃を超えた時だけ]

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卵は、気温が暑いかどうかは分かりません。なぜなら、親鳥が37℃の一定した温度で温めているからです。

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では、卵は聞いているのでしょうか?

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研究者が録音した親鳥の鳴き声((*3)を(人工的に)温められている卵に聞かせてみると、違いが分かりました。
*3:61羽のオスと61羽のメスの鳴き声を録音。

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「hot call(暑いよの鳴き方)」で知らせる鳴き方を聞かされていたヒナは、成長速度が遅く、、、
左:「hot call」を聞かされたヒナ
右:対照群のヒナ(「hot call」を聞かされていなかったヒナ)

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体が小さめです。これは体を冷やしやすくするために、暑さには有効と考えられます。

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さらに、ヒナが成長した時、「hot call(暑いよの鳴き方)」を聞かされた鳥たちは、体重が軽く、より暖かい巣に住んで、より多くの卵を産みました。
左:「hot call」を聞かされたヒナ
右:対照群のヒナ(「hot call」を聞かされていなかったヒナ)

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2回目の繁殖シーズンを終えた後では、どうなるでしょうか?

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親鳥は、抱卵期の最後の1/3の日数でしか鳴き声をあげません。

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この期間は、ヒナの体温調節機能が発達し始める時期です。

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「hot call(暑いよの鳴き方)」の鳴き声を聞くということは、体温調節機能を修正したり、長期間の暑さに対する感受性に変化を与えている可能性があると考えられます。

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もし、これらの能力が広がれば、多くの動物たちにとって気候の変化に対応する手助けになるかもしれません。

動画は以上です。

鳥さんは、鳴き声でコミュニケーションをとる生き物だとは広く知れ渡っていますが、卵の中にいる時から親鳥の声を聞いて、体にまで変化を及ぼしていたとは本当に驚きです。
鳥さんの計り知れない能力をまた知ることができた記事でした。
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