[ご質問No.2] 呼び鳴きを改善するには? from 20160505セミナー

去る5月5日に開催いたしました「第3回Birds' Groomingセミナー」の「Q&Aコーナー」で、ご紹介しきれなかったご質問を少しずつブログにてご回答させていただきます。
内容については、病気や看護、日常的なお世話、そして、問題行動やトレーニングといった幅広い分野になりますが、詳しいご事情まで飼い主さまにおうかがいすることができないため、掘り下げることができない部分もございますが、ご自身の鳥さんと、鳥さんを取り巻く環境に応用していただき、少しでもお役立ていただけましたら幸いです。

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[ご質問No.2] 呼び鳴きを改善するには、どんな具体例がありますか?

鳥さん個別相談では、「呼び鳴き改善」についてもご相談件数は少なくありません。ご相談内容の中で実は一番時間と労力がかかって、飼い主さんの忍耐が試されるのがこの「呼び鳴き改善」です。
鳥さんの経験と実績による学習行動なので、呼び鳴きをしてきた期間が長ければ長いほど改善は困難ですし、たとえ「たった1回」の経験でも鳥さんにとっては、「これでもか!これでもか!!」の気持ちになるようです。かなりやっかいです。

「呼び鳴き改善」の具体例について、文章では細かい部分までお伝えできませんが、少しでもご参考にしていただけましたら幸いです。

これから鳥さんをお迎えされる方、あるいは、すでに呼び鳴きで悩んでいる方は、まず鳥さんは鳴き声でコミュニケーションをとる生き物だということをご理解ください。耳障りな鳴き声で鳴くことによって、過去に成功体験があるからこそ呼び鳴きに発展してしまった、そして呼び鳴きを継続しています。

そして、呼び鳴きが効果がある!と学習した鳥さんの目的は何なのかを一度分析してみてください。
1)飼い主さんの姿が見えなくなって不安になった、姿が見えていれば鳴き止む。
2)ケージから出してもらえた。
3)おやつがもらえた。
4)たくさん話しかけてもらえた。
などなど、過去に一度でも成功体験があれば、2回目に試してみた時に、いくら飼い主さんが心の中で「ダメダメ!これに反応するとクセになってしまう」と気付いていたとしても、鳥さん側は「あれれ?この前は成功したのに今日はダメなのかな?そうか!ボリュームが足りないんだ!」または「もっと長く鳴けばいいんだ!」という風に、意図していない方向に頑張ってしまう可能性があります。

鳥さんにもちゃんと理由があっての呼び鳴きです。全く鳴かないで!というのは無理な話です。それでも、許容できないような大声で鳴き続けられると人の方が持ちません。過去に学習した「呼び鳴き」を覆すには、「代替行動を教える」ことをご提案しています。
よく、飼養本やインターネット上で紹介されているような
・疲れて鳴き止むまで我慢する
⇒経験上、鳥さんはそうそう疲れません。最初に心が折れるのはたいてい人の方が先です。
・ケージにカバーをかける/暗い部屋に移動させる
⇒理由があって鳴いているので、根本的な解決策になりません。これを繰り返すことで、新たな問題行動が現れる可能性もあります。
・霧吹きで水をかける
⇒霧吹きの水がイヤな鳥さんは一瞬ひるむ、または逃れようとするでしょう。それでも、呼び鳴きの出現率が減少しない場合、鳥さんの心理としては「シュッとやられるのはイヤだけど、飼い主さんがそばに来てくれるのであれば、来ないよりはマシ!」という考えから呼び鳴きは継続します。その場の鳥さんの行動や表情で、判断するのではなく、結果的に対象の行動が減少すれば、人が行っている行動は効果があると判断するのが、応用行動分析学の考えです。減少どころか、なかなか消去できない場合は、効果がないと判断していただいて間違いありません。そして、この「水をかける」という行為は、罰になります。どうせなら、罰で行動を改善するのではなく、褒めてのばす方法、つまり「こうしたらいいことがあった!」という方法で改善していただけたらと思います。
・「うるさい!」などと怒鳴る
⇒この方法も一瞬鳥さんは静かになるかもしれません。かと言って、この後ずっと呼び鳴きが減少したり消去したかというとそうでない場合は、鳥さんの心理的には「大きな声が返ってくるのはびっくりするけど、反応してくれた!反応してくれないよりはマシ!」と、鳥さんにとってはある意味ご褒美になっている可能性があります。

そして、具体例です。

①人にとって許容できる声、ボリュームを決める。複数人で暮らしていると、ルールを話し合う:
こういう声はやめてほしいけど、こういう声なら許容できる、ということで、許容できる鳴き声やボリュームを教えていきます。
あるいは、鳴き声だけじゃなくて、おしゃべりが得意な鳥さんは、「(飼い主さんの名前)ちゃーん、こっち来てー」や、おもちゃの鈴を鳴らしてもらう、などの代替行動でもOKです。ただし、おもちゃの鈴なども、「これでもか!これでもか!」とだんだんエスカレートしてガッシャンガッシャンやる場合がありますので、鈴の鳴らし方もルールを決めて教えてあげる必要があります。

②「こういう風に鳴いてほしいな」の誘い水を出す:
呼び鳴きが始まったら、もちろんノーリアクションで対応していただきたいのですが、前述したとおり、鳴き止むまで待つ、のは何分後、または何十分後、何時間後(!?)になるかはわかりません。
なので、鳥さんが許容できない声やボリュームで鳴いている時に、こういう風に鳴いてね、の音を飼い主さんが出してみます。
鳥さん「ギャーッ!ギャーッ!ギャーッ!」
飼い主さん「(口笛で)ピューイ♪ピューイ♪」
鳥さん「・・・(ん?)」
飼い主さん「(口笛で)ピューイ♪ピューイ♪」
鳥さん「(飼い主さんの真似をして、あるいは近い音で)ピー・・・」
と鳴いてくれたら、大げさなくらいに鳥さんに駆け寄って声掛けやご褒美をあげる。これを繰り返す。
このご褒美は、上記の鳥さんの目的を参考にしていただき、これをご褒美として使うことでより効果が高まります。
という方法です。

③鳴いていない時にこそたくさんの声掛けとおもちゃで遊べる鳥さんに:
望ましい行動の時に、ぜひ声掛けやケージのそばに近づくなど、鳥さんが喜ぶことをしてあげることで、呼び鳴きなどと無駄な努力はしなくて済むんだ!と学習してくれます。
また、飼い主さんに依存している鳥さんは、飼い主さん、つまり仲間がいないことで不安になってしまっているようであれば、人がいなくても楽しめるようなおもちゃやフォージング(餌探し行動)を段階を踏んで教えてあげることをお勧めします。

最初は、②のように望ましい範囲の声をなかなか出してくれないかもしれませんが、「望ましくない呼び鳴き」を学習できたら「望ましい呼び鳴き」を学習することも可能だと考えています。

冒頭でお伝えしたとおり、呼び鳴き改善は本当に時間と労力がかかりますが、最初の1か月、徹底して対応することで変化が観えてくると思います。これには、本当に一貫したルールの元で行わなければなりません。
このような方法なので、トレーニングとはいえ、ご近所に少しの時間でも大きな声が響き渡るのはちょっと・・・という飼い主さまにおかれましては、防音のアクリルケージカバーを利用するのも一つのテです。しかしながら、鳥さんの方の声は抑えられるからと言って、トレーニングはやらないということはお勧めしません。鳥さんは、人を仲間と見なして、鳴き声でコミュニケーションをはかろうとしているからです。防音のアクリルカバーを利用したとしても、「ちゃんといるよ、大丈夫だよ」という安心感を与えてあげるような接し方をしていただけたらと思います。

その他に、鳥さんは季節によってちょっぴりテンションが上がる時期がありますし、白色オウムの仲間は朝夕の雄叫びは日課です。こういう鳴き声は、「呼び鳴き」ではないので改善できませんが、呼び鳴きに発展させないよう飼い主さまの行動に注意を払っていただけたらと思います。
また、ご家庭の環境で、①複数羽いる、②小さいお子さんがいる、場合は、さらに改善は困難になってきますが、①の場合、もし鳥さんの中で率先して声を出すような鳥さんがいれば、その鳥さんからトレーニングをしていくことで、他の鳥さんは真似をしてくれる場合があります。

簡単ではありますが、少しでもご参考になりましたら幸いです。

興奮中の雪之丞20160616
ボクの雄叫びタイムの様子をどうぞ!エネルギー発散中だよーーーっ!

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【これまでのご回答】

[ご質問No.1] ケージに戻す方法

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