[ご質問No.1] ケージに戻す方法 from 20160505セミナー

去る5月5日に開催いたしました「第3回Birds' Groomingセミナー」では、「Q&Aコーナー」を設けまして、ご参加の皆様からご質問をたくさんいただきました。ご協力いただきました皆様に、この場をお借りして改めてお礼申し上げます。

セミナーの時の「Q & Aコーナー」では、時間に限りがあることから、全てのご質問にお答えすることができませんでしたので、このブログにてご回答させていただけたらと思い、シリーズとして今後、少しずつ掲載をしてまいりたいと考えています。
内容については、病気や看護、日常的なお世話、そして、問題行動やトレーニングといった幅広い分野になりますが、詳しいご事情まで飼い主さまにおうかがいすることができないため、掘り下げることができない部分もございますが、ご自身の鳥さんと、鳥さんを取り巻く環境に応用していただき、少しでもお役立ていただけましたら幸いです。

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[ご質問No.1] ケージに戻す方法

ケージになかなか戻ってくれない、というお悩みを抱えている飼い主さまは少なくないようです。ケージに入るには、やはり「動機付け」が大切です。この観点から、下記の通りご提案させていただきます。

同様のご質問を受けた時に、よく個別相談では下記のご質問をさせていただいています。

Q1)鳥さんがケージに戻ったら、すぐに扉を閉める?
Q2)鳥さんがケージに戻ったら、すぐにその場を立ち去る?
Q3)ケージ越しでの接触を一日のうちにほとんどやらない?
Q4)ケージの中にいる時に、鳥さんに目配せや声掛けなどのコンタクトコールをほとんどしない?
Q5)ケージの外でもごはんやお水を用意している?

上記の中で、「はい」の答えが多い飼い主さんの鳥さんほど、ケージの中よりもケージの外の方がより楽しく、魅力的に感じていると言ってもいいかと思います。

Q1)とQ2)⇒鳥さんがケージの中に戻ったら、途端に飼い主さんとの接触が断たれてしまうことになります。例えば、「よし!ケージに戻った!」のタイミングで、ガシャーン!と扉を閉められて、「じゃあね!」とすぐにいなくなってしまう光景を鳥さんはどのように感じているでしょうか。
改善策:ケージに戻ったら扉をすぐに閉めないと出てきちゃう・・・ということもありますので、「偉いね~」と言いながら、鳥さんが出て来られないようなスピードで扉を静かに閉めて、ケージに戻った時にだけ現れるスペシャルなご褒美をあげることで、すぐにその場を立ち去らず声掛けをしてあげると、鳥さんはショックを受けずに済むようです。

Q3)とQ4)⇒鳥さんは飼い主さんが大好きです。どう考えても、飼い主さんのそばにいられるケージの外の方が好きに決まっています。それでも、ケージから出しっぱなしにしておくのは長い目で見て、得策ではありません。
改善策:ケージの外と同じくらいに、とまではむずかしいかもしれませんが、ケージの中にいる時ほど注目を注いだり、声掛けやコンタクトコールをしてあげることで、安心感が芽生えると思います。つまり、「ケージの中にいても飼い主さんがちゃんと見ていてくれる」と思ってくれると、ケージに戻るのがそれほどイヤではなくなるのではないかと考えています。

Q5)⇒ケージの外にごはんもあり、お水もあり、そして大好きな飼い主さんのそばにいられる!となると、ケージに戻る意味が全く分からない状態となるのは、とても当たり前のことでしょう。
改善策:ごはんやお水は、ケージの外では得られない状況にして、「ごはんとお水が欲しい時は、ケージに戻る」というルールを作ることをお勧めします。放鳥時間が長いご家庭もあるかと思います。その場合は、放鳥中にケージの扉を開けっ放しにしておくと、お腹がすいたり、のどが乾いたら、自分でケージに戻ってこれらの用を済ませる、ということを学んでくれるはずです。

その他に、ケージの中にいる時に楽しいことを工夫していくことで、ケージに入る動機づけができます。
①ケージ越しで、「こっちにおいで」のトレーニングを遊びの一環で。
②ケージの中でしか遊べないお気に入りのおもちゃを探る、そして活用する。
③ケージ越しに飼い主さんと頻繁にアイコンタクトができる。
④ケージ越しに飼い主さんがたくさん話しかけてくれる。
⑤ケージに戻った後も、飼い主さんがしばらくケージ越しに遊んでくれる。
⑥ケージの戻った時にしかもらえない、スペシャルなご褒美が現れる!
などなど。
⑥については、放鳥中に、ケージに出たり入ったりの練習を繰り返すことで、楽しい遊びにもなりますし、「そうか!ケージに入れば大好きなご褒美が現れるのか!」と学習してくれるようになるはずです。まさに、ケージに戻る動機付けです。
そして、⑦として、放鳥タイムを決めることをお勧めします。ガチガチに決める必要はありません。これでは、飼い主さんにも負担が掛かってしまいます。ある程度のスタート時間と終了時間を決めておくと、鳥さんもそのルールを覚えてくれるようです。

その他にも、そもそもケージに戻らない理由があるかもしれないという点も見逃せません。
例えば、ケージの置き場所です。
実際にあった事例ですが、窓の外が見れて退屈しないだろうという理由で、鳥さんのケージを窓のそばに置いていたのですが、なかなかケージに戻ってくれず、飼い主さんは単に「わがまま!」と思っていました。飼い主さんのよかれと思ってやっていたこの窓のそばにケージを置くという行為ですが、鳥さん側は、「窓の外に見えるカラスや雲の流れ、天気の変化が怖い!!」と思っている可能性もゼロではないと思い、窓のそばからケージを離してもらいました。すると、すんなりケージに戻ってくれるようになりました。本来であれば、一日の大半を過ごすケージは安全で安心できて、くつろげる場所でなくてはならないのですが、窓のそばに置いていたケージは鳥さんにとっては、恐怖でしかなかったようです。
「まさか」と思うようなことも、実は鳥さん目線で見ると、人側がよかれと思ってやっていたこととは真逆だったということもありますので、一度、ケージの置き場所を見直してみるのもいいかもしれません。

ご家庭の事情で、ケージの中にいる時に鳥さんとアイコンタクトなどができない別部屋になっている場合もあるかと思います。このような時は、鳴き声を利用してコンタクトコールでコミュニケーションをとることをお勧めします。ただし、呼び鳴きに発展させないことが大切です。

そして、ケージに戻す時に追い回す行動が鳥さんにとっては遊びになっている可能性もあるので、まずは、ご褒美トレーニングで、「おいで」の練習からスタートして、上記のように、ケージの中を魅力的にする工夫をお試しいただけたらと思います。

以上、ご参考にしていただけましたら幸いです。

粟穂がスペシャル20160609
「ボクはケージに戻ったら粟穂がもらえるよ♪ケージの外では絶対にもらえない、スペシャルなご褒美なんだ!」

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