個別相談★セキセイインコさん/発情抑制★効果がある?ない?判断のポイント

暑い日が続いていますが、鳥さんも飼い主様も、どうぞ熱中症にはお気を付けください。

鳥さんがいる部屋の温度管理について、窓を開けて網戸にして風通しを良くしているから、あるいは扇風機をかけているから、とのことで「エアコンはかけていません」、というお声をちょこちょこと耳にしますが、これは鳥さんの場合は体温を下げる手段とはなりませんので、お気を付けください。
窓からの風や扇風機の風が当たって涼しいと感じるのは、人は汗をかく生き物だからです。
体についた水分(=汗)が、風に触れた瞬間、空気は汗を蒸発させます。そして、水分が蒸発した時、水は体の表面にある熱を奪っていくので、汗をかいて風に当たった時に、涼しく感じるそうです。
これは、汗をかかない鳥さんには当てはまらないので、甘やかすという意味ではなく、この時期はぜひ、エアコンやクーラーなどを利用して室温を下げて、鳥さんの様子を観察しながらお過ごしいただけましたら幸いです。

さて、ブログの更新が滞っていたら、また次の個別相談にお越しいただくということも多々あり、二回分のご紹介をさせていただきます。

【これまでのおさらい】
発情を抑えるため、2013年9月から3週から5週ごとに1度、発情を抑制するための注射を打ってもらっていたそうです。しかしながら、注射の効果も徐々に効かなくなってきて、どうしたものかと思っていたところに、4月に開催した「鳥さんヒントセミナー:セキセイインコ編」にご参加いただき、今回個別相談を受けることをお決めになったそうです。

セミナーで得たヒントを元に、そして、いろいろなフォージング系の本を参考にして、いわゆる頭を使ってもらうということを実践してくださっていて、そのことがセキセイインコさんにとっていい刺激となり、今年の4月6日に発情抑制の注射を最後に、発情することなく6月まで過ごせているとおっしゃっていました。
飼い主様は本当に熱心な方で、今回の個別相談の時にはトレーナーの手助けはいらないんじゃないかというくらい、たくさんのアイディアを考えて実践されています。
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【第2回目:7月8日】

2回目(7月8日)にお越しになった時に受けたご報告は、6月28日と30日に卵を産んでしまったとのこと。
注射を打たずに100日ちょっと卵を産まずに過ごせたということで、それなりの成果があり、6月末に卵を産んだ時の様子は今後の大切なデータとなります。
セミナーや個別相談を受けてくださっているおかげで、観察のポイントもしっかりできていらっしゃる飼い主様なので、とてもいいデータを得ることができたと思っています。

第一回目の時にご提案させていただいた、セキセイインコさんに「頭を使ってもらう」ことをテーマに、飼い主様のアイディア満載の手作りアスレチックジムを見せていただきました。これが本当にすごいです。

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100円ショップで購入したものを組み合わせて作られたプレイジムです。
セキセイインコさんに頭を使ってもらうような工夫を・・・とご提案させていただきましたが、ここまでのアイディアを実践してくださった飼い主様は正直初めてだったので、度肝を抜きました。
そして、「あの、、、無理して力入れ過ぎていませんか?大丈夫ですか?」と、少々心配になったのでお尋ねしたところ、あれこれアイディアを考えて作るのがとても楽しいです!とおっしゃってくださったので、鳥さんも飼い主様も楽しく取り組んでいらっしゃることに安心しました。

上の画像の矢印部分に、ビーズをひっかけるフックが細工してありますが、このビーズをくわえて飼い主様の手に運んできてくれます。トレーナーにも持ってきてくれたのですが、一度受け損ねてしまったら、もう二度と持ってきてくれませんでした。。。ごめんなさい。。。次は頑張ります。。。

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手前にあるトンネルを電光石火の速さでくぐりぬけ、お立ち台にも止まり、本当に嬉々としていました。

アスレチックジム以外にも、手作りのおもちゃのいろいろな工夫です↓
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ティッシュペーパーに餌をくるんでこのクリップに吊るしておくと、せっせと餌探しをしてくれるそうです。まさにフォージング(餌探し行動)です。
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少し見づらくて申し訳ありません。ケージの中の工夫も本当に楽しそうです。

頭を使ってもらう遊びを始めてから、
●セキセイインコさんの頭の良さに驚愕した
●発情の対象となっていた奥様の方に、以前ほど関心を示さなくなった
とのことです。
そして、セキセイインコさんのこの日の体重は42gをキープ、卵を産んだ6月末の体重は6月28日は44g、6月30日は46gだったということを教えていただき、3回目となる個別相談へ・・・

【第3回目:8月5日】

6月末以来、卵は産むことなく過ごせているとのこと。注射を定期的に打ってもらっていた頃(4月まで)よりも、産まずにいる日にちは長いとのことなので、成果は現れているのではないかと思っています。

そして、ここ最近の体重は40gをキープ。

【発情に影響する環境要因】をざっと簡単に・・・
1.光周期の延長
2.相手の存在
3.巣、巣材の存在
4.温度
5.ストレスの欠如
6.豊富な食餌
以上が考えられる要因となるのですが、セキセイインコさんに当てはめてみて、この日、改めて発情に影響する環境要因を見直してみました。

1.⇒起床が10時、就寝が6時~7時、光は遮光性の高い布で遮断。ただし、夜は飼い主様の気配で起きている様子。
2.⇒奥様が発情の対象となっていたので、特に発情の行動を示していた対象である「爪」、「高い声」、「上下の動き」は極力止めてもらう
3.⇒狭い所に入りたがっているとのことで、この行為は阻止してもらう
4.⇒今の時期、暑がった様子でなければクーラーをつけなくても大丈夫
5.⇒セキセイインコさんの視界に入るところに、日替わりでいろいろな見慣れないものを置いてみる。例:柄物のタオルや服、野菜やお玉など。
6.⇒体重40gをキープする。
以上の対処法の中でも、最もツボにはまる対処法は鳥さんによってそれぞれ異なるようです。
こちらのセキセイインコさんは、6月末に卵を産んだ時の周りの環境や飼い主様の接し方などをおさらいし、現在(卵を産むまでに至っていない状況)と異なる点は「体重」であるという結論に至ったので、おそらく、この食餌量の調整が一番のキーポイントになるのではないかと推測しています。
現段階ではまだ「推測」の域ですが、この4月から付けてくださっている観察記録のおかげで得た情報は、おそらく外れてはいないのではないかと思っています。

ただ単に、食餌量を減らすだけですと、鳥さんにとっては不満となります。
おそらく、ダイエットなどがうまくいかない理由は、
「鳥さんがお腹すいた!お腹すいた!」と悲痛な叫びをあげる
 ↓   ↓
「飼い主様は見ていられない」
 ↓   ↓
「かわいそうな気持ちになって、餌を与えてしまう」
という構図だと思っています。

発情抑制にチャレンジ中のセキセイインコさんは、この「お腹すいた!」の悲痛な訴えはないとのことです。
なぜかと言うと、頭を使ってもらっているからだと思っています。
頭を使う(思考する)と、カロリーを消費します。カロリーを消費すると、眠くなってしまい、寝ます。
今までは、思考することなく、好きなだけご飯を食べて、発情対象もいるし、ストレスもない環境で過ごしていたからこそ、発情に至っていたのでしょう。

ご自宅では、継続して頭を使ってもらうような取り組みをしていただいており、この日も新たに「できるようになりました!」ということをお披露目してくださいました。
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↑飼い主様お手製のフォージングのおもちゃがズラリ。

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↑横にスライドさせないと蓋が開けられないタイプ。

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↑縦に挿してあるお弁当に使うプレスチックの爪楊枝を4か所抜かないと開けられないタイプ。

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↑やってくれている瞬間をうまく撮影することができませんでしたが、こちらはビーズを水平に抜かないと開けられないタイプ。画像はすでに左右についている留め具部分を開けて、ご褒美をゲットしている様子。

「どんどん頭が良くなっていて、次に何をやればいいのか困ってます」と、笑顔で話す飼い主様。

そして、新作のアスレチックジム↓
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矢印の所は、音が鳴らせる新しいバージョン。

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↑チリン♪と鳴らしている様子。
上の矢印にいる人形さんたちは、セキセイインコさんにとっては敵という設定で、これをアスレチックジムに置くと、咥えて放り投げて撃退!そして、ご褒美をもらうというちょっとした寸劇もお披露目してくれました。
本当に、チリン♪と音を鳴らす時のソフトタッチと、敵にアタックしたり放り投げたりする威力が全く違っていて、本当に理解して使い分けているんだなということが分かりました。本当に賢いです。

そして、手前の矢印部分にあるのはタンバリンです。
この上にのっかると、「待て」の場所だときちんと理解していて、ちょこまかちょこまか素早く動きまわっていても、このタンバリンの上にのると、ピタッと10秒ほど静止してました。お見事です。

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いろいろな遊び道具が散らばっている様子↑
セキセイインコさん「さあて、次は何して飼い主と遊んでやろうかな?」
こんな風に思っているかもしれませんね。

**ワンポイント**
発情抑制の際に考える一つの対処法である「いい刺激やいいストレスを与える」ということについて、店頭でもよく勘違いをされている方がいらっしゃるので、ここで改めてお伝えさせていただきます。

今回ご紹介させていただいたセキセイインコさんを例にさせていただくと、
「何か刺激になるものをと思い、ケージの上にお玉を置いてみたけど、最初の10分くらいはお玉の方をじっと見つめていたけど、そのあとは知らんぷりでした」
とのご報告をいただきました。

皆様は、このお玉は「いい刺激、いいストレス」にはならないとお考えになりますか?

「いい刺激・いいストレスを与える」ということは、「鳥さんを怖がらせる」という意味ではありません。
そして、
●対象物の方をじっと見つめている ⇒ いい刺激・いいストレスになっている
●対象物には興味を示さない ⇒ いい刺激・いいストレスになっていない
と、結論付けてしまうことは時期尚早です。
本当に鳥さんにとって、その対象物が「いい刺激・いいストレス」になっているかどうかの判断は、結果的に「卵を産まなくなった」ということで、判断ができます。
なので、「怖がっていない、気にもしていない」と、その場の様子で判断して、「効果がない」と結論付けてしまわずに、長い目で見て判断をしていただけたらと思います。

【ご注意】
※手作りのおもちゃやアスレジックジムを作る場合、鳥さんにとって有害な素材でないかを必ずご確認ください。
※使っている時も安全かどうかを十分にご確認願います。
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