環境の変化で食べてくれない!!場合の接し方

鳥さんをショップからお迎えしたり、鳥さんを引き取ったりした時の最初の難関は、「ちゃんと食べてくれるかどうか」だと思います。鳥さんは本当にデリケートなコが多いと感じています。すんなりこの難関をクリアできる場合もありますが、そうでない時はどうしたらいいのでしょうか。
ショップにも新しく仲間が増えたということはお伝えしましたが、雪之丞@タイハクオウム(10才・男の子)も、当初はなかなか食べてくれず体重が下がる一方でした。

3月30日に、とある事情で引き取ることになり、まずは病院の方で過ごして、4月4日にショップへやってきました。
この間、朝晩、強制給餌を行っていました。

ショップに移動してからの4月4日から9日までの間は、1度だけ強制給餌を行っただけで、まずは体重の減少がストップして、少しずつ増えてきています。
トレーナーをはじめ、スタッフが接してきた方法は、
*環境面を整え、適度な声掛けと距離感*
です。

一般のご家庭の場合でも、鳥さんがお家にやってきたら、一日も早く環境に慣れてもらおうと“過度”な声掛けやコミュニケーションをしがちです。鳥さん側の心境になって考えてみると、
●新しい環境でとまどっている
●「ここはどこ!?」「この人たちは今まで見たことない!」などと、とまどっている時の過度な声掛けはさらに混乱を招いている可能性も

周りの環境も、ケージもエサ入れも止まり木も変わっていたとしたら、何から整理をしていいのか分からない心境だと思います。たとえ、自宅に来る前に数回会ったとしても、印象はゼロではないかもしれませんが、よっぽどの出来事がない限りは、「初体面」と同じくらいの印象だと解釈していただいてもいいと思っています。

知らない環境下では、今まで食べていたペレットさえも食べなくなってしまうこともよくあります。

このような状況で、人が良くやってしまいがちなのが、「人が食べている様子を見せる」、「手渡しで食べるきっかけを作る」ということが考えられますが、この二つともに、鳥さんがが見慣れた人なら効果があると思いますが、ほぼ初対面の人がやったとしても、効果は薄いと経験上感じています。

そして、食べないからと言って、「これはどうかな?」「じゃあ、こっちはどうかな?」と、次から次に違うものを与えてしまうのも、すぐに慣れることを妨げてしまう行為である場合もあります。

自宅にやってきて食欲がなかなかでない鳥さんに対しての接し方のポイントを下記にお伝えさせていただきます。
鳥さんにも個性があるので、これらポイントとはまた違うことを試みる必要がある場合もありますが、ご参考にしていただけましたら幸いです。

【目指せ!食欲アップ!人や環境にまず慣れてもらうポイント】

●まずは環境に慣れてもらう:
⇒この「環境に慣れてもらう」ことを誤った解釈をして、常に人がいるところにケージを置く、あるいはケージのそばになるべくいるようにする、というのは、「適度」にはいい方法かもしれませんが、できれば一羽でいてもらう方がより早く、鳥さん自身で周りの環境を観察し、理解してくれて、一日も、一時間でも早く慣れてくれるのではないかと思っています。
[雪之丞の場合] ケージにはすんなり慣れてくれました。そして、どんな性格かを見極めるために、最初の一日は、雪之丞から見える位置にトレーナーがいて、作業をしている環境でしたが、人がいない方がペレットを食べてくれると判断したので、二日目以降は一羽の時間を作ってあげるようにしました。

●人にも慣れてもらう~適度な声掛け~:
⇒「どうしたの?食べないの?これおいしいよ」という声掛けも、ほぼ初めての人(以前に何度か会っていたとしても)からの声掛けは、「え?何?この人何話してるの?」とクエスチョンマークで頭の中をいっぱいにさせてしまい逆効果になってしまう可能性もあります。
[雪之丞の場合] ・名前を多めに呼びかける、・少しでもペレットをくわえたり、食べていたら、やさしく静かに見守る、または「偉いね~」と静かに声掛けをして、近づいてはいかない。
こちらのブログでも、「望ましい行動の時はご褒美(声掛けや大好きな食べ物)を」とお伝えしていますが、ようやく食べ始めた時に声を掛けられると、ポロッとペレットを落として食べなくなるパターンもあります。
鳥さんが環境と人に慣れてきたら、この「望ましい行動の時はご褒美」は有効になります。

●鳥さんにとって落ち着ける環境作りを:
ケージの置き場所について、なるべく人目につくところ、あるいは鳥さんから常に見える位置に、と考えてしまいがちですが、新しい環境下ではとにかく鳥さんは頭の中で整理が必要です。被捕食者の立場から「逃げ場」があるとより安心してくれる傾向にあるので、ケージの置き場所は壁につけてあげることをお勧めします。できれば、お部屋の角に置いてあげると2面は壁に接することができます。
また、お外が見える場所の方がいいかな?というアイディアも、食欲が上がってから考えてあげるようにしてあげてください。
[雪之丞の場合] 部屋の角にケージを置いてあげて、さらにもう1面には演台(セミナー時に使うもの。ご家庭では何か使えるものを)とダンボールを置いて目隠しを作ってあげました。これで3面が何かに接している環境です。
雪之丞20150404
少し分かりにくいですが、手前右の茶色の台が演台で、この上にダンボールを置いています。このダンボールは隙間を作って置いてあるので、雪之丞がその隙間から覗きたければ除くことができますし、人目にはつきたくないなと思えば、目隠しの役目も果たしてくれます。
ちなみに、この画像はショップに来て一日目の様子です。病院にいた時は食べる素振りすら見せなかったそうですが、移動した初日からチンゲン菜(チンゲン菜に関しては、正直、食べているというよりも引き裂いているという状況でしたが)に興味を示し、ペレットも食べてくれました。

●エサ入れを食べやすい位置に設置する:
よく止まっている止まり木のすぐそばにエサ入れと水入れを設置することからスタートして、食べてくれるようになったらこのエサ入れ・水入れの位置は変えていきます。
[雪之丞の場合] 現在は、エサ入れ2つ、水入れ2つを食べやすい位置に設置していますが、自分で移動して、この両方から食べてくれるようになってきたので、今後は食べにくさを演出して、どんどん頭を使ってもらうようにしていきたいと考えています。

●ケージの中のレイアウトはしばらくはいじらない:
なかなか食べてくれないと、「止まり木の位置が気に入らないのかな?」「エサ入れの位置を変えた方がいいかな?」「エサ入れの色が気に入らない?」などと、微調整をしていきたくなりますが、ケージ内のレイアウトはしばらくはいじらない方が、鳥さんはその環境に慣れてくれやすくなります。
[雪之丞の場合] 止まり木の設置が甘く、気付くと斜めになってしまうこともありましたが、敢えてそのままにしておきました。そんな斜めになった止まり木にも止まるようになったので、このころから「これはもう大丈夫だな」という手応えがありました。

●好きな物だけ与えてみる?
とにかく、何かを食べてもらわなければいけないので、以前いたショップや環境ではどんな物が好きだったかが分かれば、たとえそれが主食でなかったとしても与えてみるのは、食欲のスイッチを入れる手段になると思います。
ただ、好きな物だけ、あるいは食べるからと言ってペレット以外を与えるのではなく、まずは上記の環境面を整えながら、今やっている人側の行動を一度見直してみることを優先していただけたらと思います。今まで、ペレットを食べてくれていたのであれば、絶対に食べてくれます。食べなくなったのは、環境の変化が大きな要因なので、この環境面を整えてあげることを優先していただきたいと思います。環境面が整うまでは、鳥さんがとりあえず食べてくれるものを与えながら、ペレットも入れておいて観察をしてみてください。
[雪之丞の場合] どうやら粟穂とひまわりの種が好きなようです。ショップに来て、最初の2~3日くらいはひまわりの種をエサ入れに入れておきましたが(合計10~20粒程度)、これ以降はエサ入れには入れないようにしました。粟穂も今のところ4cmの長さのものを1日に1本与えていますが、今後は、これが好きならフォージング(採食行動)に利用していきたいと考えています。

大まかなポイントをお伝えさせていただきましたが、鳥さんは何かを食べないとなると致命傷になります。そして、急激な体重の減少は内臓に負担がかかってしまいます。
「我が家になってきて食べてくれない」状況下で、食欲が出ないのは環境の変化によるものだと断言できると思います。そうであれば、環境を整えてあげながら、少しずつ慣れてもらうと同時に、何とか食べてもらうような工夫をしていただけたらと思います。
「空腹になれば食べるだろう」という考えは、環境の変化が大きい時は当てはまりにくいと考えていますので、「様子を観る」、「根競べ」というよりも、獣医師に相談をしたり、専門スタッフに相談することをお勧めします。

こちら↓は、4月9日の様子。
雪之丞20150409
朝、夕ともに体重もアップ!元の体重まで戻るのに、まだ少し時間がかかるかもしれませんが、食欲は出てきたので今後もスタッフ一同見守っていきたいと思います。

いまのところ、雪之丞のおしゃべりは「あ、、、あ、、、」と言っているところしか聞いたことがないので、トレーナーに「あなた、顔なしですかっ」とつっこまれていました。
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