個別相談★セキセイインコさん/自咬改善★行動の思い込み?勘違い?

昨年末から個別相談にお越しいただき、ただいま自咬改善に向けて取り組み中のセキセイインコさん。

これまでの様子↓
2015年1月10日
2015年1月24日

2月7日にお越しいただいた時の様子をお伝えさせていただきます。

1月24日からの課題としていた取り組み内容は下記の通りです。
そして、赤字部分が取り組み内容について、2月7日にご報告を受けた事柄です。

1)粟穂を取り付けている時間帯を記録。ケージの外から取り付けてみる(今までは内側に取り付けていましたが、粟穂の量を減らしていくために与える時間帯を制限していくための試み。粟穂を取り外ししやすいように外側に取り付けるということをご提案)。時々、取り付ける位置を変えてみる(とにかく怖がらせないようにということでいままで粟穂を取り付ける位置はずっと同じところだったので、変化をつけるため)。
⇒少しずつ、粟穂を取り付ける位置を変えてみたところ、怖がることなく食べてくれた。時々、逆さまになって食べる様子も観られた。

2)カナリーシードを主食から抜いたシードに変えてみる。(ご褒美にカナリーシードを使っていきたいので、普段は食べられないようにするため)
⇒カナリーシードが入っていない皮付餌を購入済み。まだ、以前の餌(カナリーシードが含まれているもの)があるため、実践はまだ試みていない。

3)ハンカチ(バンダナ)を変えてみる。(お尻をスリスリとケージにこすりつける発情行動を止めさせるための手段の一つ。いつも同じハンカチだと慣れてしまうため、色や柄が違うものを試してもらう)
⇒実践中。

4)エサ入れに入れる障害物となるビーズの量を増やしていく。(一気食い防止)
⇒1週間毎に1つ増やしてみた。これまで、1回だけビーズをエサ入れから落としていたけれど、それ以降は観られなくなった。つまり、ビーズを落とすまでもなく容易に餌を食べることができていると判断したので、1週間に1つ増やしていくのではなく、ビーズ(=障害物)に対する恐怖心はないと判断したので1日1個のペースで増やしてもらい、餌入れからビーズを落とすようになったら、つまり邪魔なものを除外するようになったら増やすのをそこでストップ。

5)マンチボールに粟穂を挿してみる。
⇒挑戦中

6)ブランコの位置を前後左右に変えてみる。または取り外してみる。
⇒ブランコのサイズが大きいので、前後左右の位置を変えるのは難しいけど、高さを変えてみた。

7)段ボールの間にカナリーシードを入れてみる。
⇒実践中。

細かい部分までそれぞれの目的や実践してみた結果については書ききれないのですが、飼い主さまが少しずつ少しずつ取り組んでくださっているご様子で、セキセイインコさんも会うたびに表情が明るくなっていると感じています。そして、飼い主さまも少しずつではありますが、手応えを感じてくださっています。

相談室での様子。粟穂を見せると、すぐによってきてくれます↓
福ちゃん20150207-1
そして、食べてくれます↓
福ちゃん20150207-2
トレーナーにも環境にもすっかり慣れてくれた様子です。

飼い主さまが感じてくださっている手応えとは裏腹に、少しずつ成果が現れているとは言え、トレーナー自身は実は今一つ手応えを感じることができずにいました。しかし、この「今一つ」の部分が今回のご相談の時に払拭されることに!

ご相談開始から1か月が過ぎたのですが、改善のスピードが思うように進んでいないという点に、「今一つ」という感覚を感じていました。この日のご相談が終了して、そろそろお帰りの支度を始められた時に、セキセイインコさんが「キィキィ・・・」という声をあげながら、キャリーの扉部分の小さな出っ張りで自分の頬辺りをこすりつけていました。
その時に飼い主さまが「また、悲鳴あげて・・・」とおっしゃったのです。
私(トレーナー)はすかさず、「これは悲鳴ではありませんよ。気持ちいいという表現ですよ!」とお伝えしたところ、「えっ!!今までこの様子は悲鳴を上げているとばかり解釈していました!」ということが判明しました!
そうなのです、これまで観察記録に記していただいていた「悲鳴を上げた」という表現は、実はセキセイインコさんの「気持ちいい」という感情の表れだったのです。これで合点がいきました!

私がご家庭での実践の様子や鳥さんの様子を把握するためには、飼い主さまの観察と報告が全てです。
その中で、「悲鳴を上げる」という行動がなかなか少なくならないなと感じていたのですが、どうやら悲鳴ではなかったのです。このことに気づくことができて本当に良かったと思っています。

これまでは、悲鳴を上げている時の行動としてトレーナー側の解釈は、「癇癪を起こして、首に巻いているテープをカジカジ激しくやっている様子」だと思っていたので、癇癪を起している時は手を叩いたりして、関心を他にそらすようにしてください、とお願いしていました。
これまで観察記録に書いてあった「悲鳴を上げた」とは、実際は気持ちいいと言う感情の現れだったのです。
セキセイインコさんは首をテープでがっちりまかれていることにより、他の鳥さんみたいに自由に羽繕いができない状態です。なので、ケージの出っ張り部分を利用して、足やクチバシが届かない部分をカキカキするしかありません。
セキセイインコさんはせっかく気持ち良く他の物を利用してカキカキしていたのに、悲鳴だと勘違いしていたことで手を叩くなどの音を出されて、気持ちいいことを止めさせられていた、というのが実際の状況だったというわけです。

これでは、セキセイインコさんの満足度は満たされるはずがありません。

目からウロコといった飼い主さまは、ご自宅に帰って早速ご家族の方にも伝えてくださったそうですが、ご家族の方も「え!?そうなの??」という感じだったそうです。

こちらが「キィキィ・・・」という声を出しながらセルフカキカキをしている様子↓
福ちゃん20150207-03
飼い主さまはこの声を聞いて、「痛がっている」、「どこか具合が悪いんじゃない!?」と、悲鳴を上げていると思っていらっしゃったそうです。声だけ聞くとそう思ってしまうのも無理ありませんが、セキセイインコさんを観察すると、気持ちよさそうにしています。このことから、悲鳴を上げているのではないと判断できます。
「キィーッ!キィーッ!」と高い声を上げながら、七転八倒、または明らかに痛そうな様子であれば、「悲鳴」と判断できますが、ご相談に来てくれているセキセイインコさんの場合は「悲鳴」とは言えません。

鳥さんにはそれぞれに個性があるように、鳥さんの行動に関しても全ての鳥さんが、この感情の時はこの行動をする、ということは言えないと感じています。喜んでいる時や怒っている時は、概ね同じ行動から読み取れると言えるかもしれませんが、本当は怒っていなくても怒っていると思われていたり、本当は嬉しくないのに嬉しいと勘違いされているパターンも珍しくありません。

以前見たことがあるテレビ番組では、犬が前歯を歯茎までむき出しにしている様子は一般的には威嚇だと思われるでしょう。ところが、テレビで紹介されていたワンちゃんは、おやつを差し出されると、この行動をとっていたのです。もちろん、このおやつは大好きな物で、手から受け取ると嬉しそうに食べていました。

その他にも例えば、大型の鳥さんがクチバシを開いたり閉じたり、カチカチカチ、、、とする仕草は、
●今手を出すと咬むからね、のサイン
●今はとってもリラックスしています、のサイン
という風に、鳥さんによって違います。

鳥さんの行動と感情が必ずしも教科書通りにいかないといういい例だと思っています。
鳥さんだけに限らず、動物の行動を誤解して解釈してしまうと、人と動物の関係性がこじれる場合もあります。いわゆる、すれ違いという感じでしょうか。
人側の誤解によって、この鳥は意地悪だ、凶暴だ、などと結論付けてしまうと、行動の全てに理由があるにも関わらず、相手側、つまり鳥のせいに全てされてしまうことになりかねません。ここから解決策を模索していっていただければいいのですが、一方的に鳥のせいにしてしまうと、「鳥が意地悪だからしょうがないね、どうすることもできないね。」と、結論付けてしまうと、そこから先の改善や進歩はありえません。最悪の場合、愛情も薄れ、信頼関係は悪化する一方になるでしょう。

BGSで行っているトレーニング法は、応用行動分析学に基づくものであり、鳥さんがどう思っているかを推測するものではなく、観たままの行動を描写するという方法です。
本当は、電話やメールでの相談を受け付けていきたいところですが、観察のポイントがずれてしまうと適切なアプローチができないどころか、悪化させてしまう場合もありますので、実際にトレーナーの目で確認させていただくためにも、BGSに足を運んでいただける範囲の方のみとなってしまっています。将来的には、ご相談を受けてくださる方を増やしていくためにもトレーナーの養成講座などを作っていけたら、もっとお気軽に相談できる場所、しかもきちんとした根拠に基づく方法で相談できる場所が増えていくことを願っていますし、そのためにも頑張っていきたいなと思っています。
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