個別相談★ヨダレカケズグロインコさん★だって教えてもらってないんだもん

5年ぶりにケージの外に出してもらえるようになったヨダレカケズグロインコさんの続編です。
11月19日にお越しいただきました。

空ちゃん1119-1
前回、こんなおもちゃローリーさんのツボにはまりそうなので試してみてください、とご提案させていただいたボールのおもちゃでよく遊んでくれるということで、な、な、なんと!毛引きをしていた胸の羽が少しずつ生えてきていたことにびっくりしました。毛引き解消については、ご相談内容に入っていなかったのですが、どうやら有り余るエネルギーをうまく発散させることができずにいたのが、自分の羽をむしる行為につながっていたようです。

この日のご相談前に、飼い主さまからメールが届きました。
ご自宅でも少しずつケージから出してあげられるようになったそうですが、ステップアップしてもらおうと腕を出すと咬まれました、という内容と共に、自信を無くしそうです。。。ということが書かれていました。

飼い主さまは、ターゲッティングを使ったトレーニングが順調にいき、5年前はあれほど手こずっていたケージにも戻ってもらえるようになったことがとても自信になっていたようです。(咬み付きと同時に、ケージに戻すのがダイヘンだったからケージから出してあげられずに5年経過してしまったという経緯があります)
だけど、腕を差し出すと咬むなんて、、、また5年前に逆戻りかと思われたそうで、自信を無くしそう、、、ということでした。

こう言われたトレーナー(=私)がどうお言葉を返したかと申しますと、
「あ、あの、逆戻りも何も、咬み付きについてはまだ何にもやってませんよ。つまり空ちゃんは何にも教えてもらっていない状態ですよ。自信を無くすも何も、まだ何にもやっていないのでそもそも自信もなにもないんじゃないんですか」とお伝えすると、「えっ!!そうだったんですか!?」とすぐに立ち直ってくださいました。
そうなのです。空ちゃんのトレーニングは、まずは自分でケージに入ってもらうことを目標にしたトレーニングでした。その延長線上でターゲッティングに使っている割りばしを持つ指には咬まないように、ご褒美を受け取る時も指を咬まないように、ということは教えてあげたので、指には咬まなくなりました。
このことをお伝えすると、「はっ!そうでした!割りばしをもつ指にも咬まなくなったし、ご褒美も上手に受け取ってくれるようになりました!」と、少々落ち込み気味だった飼い主さまのお顔が少しずつ明るくなっていきました。

空ちゃんは、5年目にしてようやく、いろいろなことを教えてもらっている状況であるということと、腕を咬まずにステップアップすることを過去に教えてもらった経験がなく、反対に「こうすれば(=咬めば)、飼い主さんが喜んでくれる♪(=実際は、「痛いっ」というリアクション)」ということを独自で学習しているだけの状態だということをお伝えさせていただきました。決して、飼い主さんを困らせようとしたりいじわるしてやろうなんて気持ちはなく、むしろ喜んでくれることを一生懸命やっていたと考えるといじらしくないですか?というお話をさせていただきました。

ここで飼い主さまの気持ちを切り替えていただき、今回から咬まずに腕にのってもらう練習を行っていくことにしました。

まずは確認です。
腕を差し出した時に咬む場合、腕の角度や差し出し方を変えただけでのってくれる場合があるので、まずこれを確認してみました。その日の洋服の色についても、空ちゃんがキライな色じゃないかどうかを確認。
①腕を水平に空ちゃんに近づける
②腕を下から空ちゃんの方に近づける
③腕を上の方から空ちゃんに向かって下ろす感じで近づける

③は最初の数回はうまくいきましたが、確実ではないと思い、「咬まずに」腕にのることで、ご褒美がもらえるよという方法で試していくことにしました。

1)空ちゃんがとまる飼い主さまの体の場所は、頭が一番多い状況でした。これも、1)とまりやすい、2)頭にとまらないでとは教えてもらっていない、3)腕にとまることは教えてもらっていない、という理由が考えられます。
なので、まず頭にとまったら、頭をぶんっと振ってケージの上に下りてもらうことを繰り返します。

2)次に、肩にとまりはじめました。空ちゃんはすぐにトレーニングの成果が現れやすい鳥さんです。頭にとまる⇒すぐにケージにおろされる⇒楽しくないっ!ということを学習してくれたようで、肩にとまってみようと考えたようです。
空ちゃん1119-4
肩にとまったら上手だねとご褒美。

3)少しずつ肩から腕の方にご褒美を使って誘導します。この時点で肩にいてもご褒美はあげないようにしていきます。
空ちゃん1119-6
ケージの上に戻す ⇒ 肩に飛んでくる ⇒ 画像の位置までおりてくる、ということを何度か繰り返します。数回繰り返したら、もう頭の上にはとまらなくなりました。なぜなら、「肩にとまるといいことがある♪」と関連付けができたようです。

4)肘の位置まで下りてきてご褒美を食べてくれるようになりました。この肘から上にいる時にはご褒美は現れません。
空ちゃん1119-5
この位置で、ケージの上に戻すことを繰り返していると、ついに腕にすっとのってくれるようになりました!
飼い主さまの感動したお顔がとても印象的でした。

何度か繰り返していく内に、今まで腕を出したら咬んでいた行為はなくなり、少し離れた場所から呼んでも腕に飛んできてくれるようになりました。空ちゃん賢い!飼い主さまもお上手!

「こんな短時間に、これだけ変われるんですね。。。」と感動の飼い主さま。

空ちゃんは、もしかしたら「前からなんでもできるんだよ、ただ何をやってほしいのか教えてもらってないだけだったんだよ」と思っていたのかもしれません。

人の子供もそうですが、教えてもらっていないことは鳥さんもできません。人の子供は言葉が通じますが、鳥さんには言葉が通じません(おしゃべりはできますが)。鳥さんに〝適切に〟人側の意思を伝えてあげることが、Positive Reinforcement(ポジティブレインフォースメント:正の強化)トレーニング法だと感じています。
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